佳奈が落ち着くのを待ってから3人はリビングへ戻ってきていた。


それぞれソファに座り、冷蔵庫で冷やしておいた麦茶がテーブルに置かれている。


「慎也は死んでない。ただ首を取られただけの状態ってことだ」


明宏は冷たいお茶で喉を潤してから口を開いた。


「それってどういうこと?」


美樹が聞き返す。


「現実ではありえないけれど、首を切られても死んでいない。ということは、地蔵は別に僕たちの命がほしいわけじゃないと思うんだ」


「私達の首だけがほしいってこと?」


美樹の質問に明宏は頷いた。


「そう。だから命までは奪わなかった」


「でも、今のままの状態が続けばいずれ死ぬんでしょう?」


佳奈視線を上げた。


「普通ならそうだな。飲み食いができないんだから」


「もしも、そこだけ現実的だったら?」