確かに聞こえてくる心音。


佳奈はハッと息を飲み、心音を聞いた状態で慎也の体を抱きしめた。


「い、生きてる!!」


思わず声が上ずった。


「嘘だろ」


明宏が駆け寄り、慎也の手を握って脈拍を確認した。


ドクンッドクンッドクンッ。


「本当だ」


心拍が弱っている様子もない。


「慎也は生きてる! まだ生きてる!」


佳奈はまだ両目から涙がこぼれ出るのを感じた。


だけど今度は悲しみの涙じゃない。


慎也が生きているという確かなものを見つけた喜びからだった。


「首が地蔵のものになっても生き続けるって、どういうこと?」


美樹の言葉に明宏は振り向いた。


「わからない。少し考えないといけないみたいだ」