両手で地蔵の首を抱きしめて離さない。
「佳奈、少し落ち着いて話ができる場所へ移動しよう」
明宏が佳奈の腕を掴んで地蔵から引き離そうとする。
それでも佳奈は動かなかった。
「嫌!! 私は慎也の首を持って帰るの! じゃないと慎也は……!!」
勢いでそこまで言って口を閉じた。
首を持って帰らないと、慎也がどうなるのか?
まさか死――?
そこまで考えて強く左右に首を振って自分の考えをかき消した。
そんなことない!
慎也が死ぬなんて、そんなことありえない!
気がつけば止まっていた涙がまた溢れ出していた。
地蔵の上にポタポタと落ちてシミを作っていく。
「佳奈。きっと大丈夫だから、ね?」
美樹がやさしく佳奈の手を握りしめる。
なにを根拠にそんなことを言っているの?
そう怒鳴りたかったけれど、嗚咽で言葉はかき消されてしまった。
その代わりにヨロヨロと立ち上がり、美樹に支えられながら歩き出したのだった。
「佳奈、少し落ち着いて話ができる場所へ移動しよう」
明宏が佳奈の腕を掴んで地蔵から引き離そうとする。
それでも佳奈は動かなかった。
「嫌!! 私は慎也の首を持って帰るの! じゃないと慎也は……!!」
勢いでそこまで言って口を閉じた。
首を持って帰らないと、慎也がどうなるのか?
まさか死――?
そこまで考えて強く左右に首を振って自分の考えをかき消した。
そんなことない!
慎也が死ぬなんて、そんなことありえない!
気がつけば止まっていた涙がまた溢れ出していた。
地蔵の上にポタポタと落ちてシミを作っていく。
「佳奈。きっと大丈夫だから、ね?」
美樹がやさしく佳奈の手を握りしめる。
なにを根拠にそんなことを言っているの?
そう怒鳴りたかったけれど、嗚咽で言葉はかき消されてしまった。
その代わりにヨロヨロと立ち上がり、美樹に支えられながら歩き出したのだった。



