足跡は途中で途切れているから、そこから先を探すのが自分たちの役目だった。


「今回もダメか」


足跡が途切れているところで立ち止まり、大輔がつぶやく。


「ここからは手分けをして探したほうがいいかも」


佳奈がそう提案したときだった。


不意に暗闇の向こうから更に黒く、細長いヒトガタの物が見えた。


100メートルほど離れているがそれが見えた瞬間、5人の表情がこわばった。


「来やがった」


大輔がバッドを握り直す。


背の高いソレは手先がやけに長く、月明かりに照らされてギラギラと光っている。


手の先だけ鋭利な刃物になっているのだ。


明らかに人間ではない、5人はソレは黒い化け物と呼んでいた。


黒い化け物に攻撃をされると傷つき、血が出る。