必死に攻撃を繰り返していたので、美樹に声をかけられるまで我を忘れてしまっていた。


ふと気がつくと黒い化け物はピクリとも動かずに倒れている。


佳奈は体で深呼吸をして自分を落ち着かせた。


全身から汗が吹き出していて、服が肌に張り付いている。


「首を探さなきゃ」


額に流れてくる汗を手の甲で拭い、再び首の捜索に戻ったのだった。