首取り様2

「待てよ明宏!」


大輔がその後を慌てて追いかけた。


「佳奈、大丈夫?」


春香が背中をさすってくれて、目の奥がジンッと熱くなった。


泣かないように唇をかみしめていたのに、シカいがグニャリと歪んでしまった。


地面にポタポタと黒いシミがついていく。


自分がしたことは間違っているんだろうか。


友人たちを助けるために、それほど仲良くないクラスメートを差し出す方がよかったんだろうか。


少なくても明宏にとってはそっちのほうがよかったんだろう。


そうすることで、美樹を助けることができたかもしれないのだから。


でも、でも、私は……。


そんなことをしても慎也が喜ぶとは思わなかった。


慎也ならきっと、やめてくれと言うと思った。


「帰ろう」


春香に背中を擦られながら佳奈はゆっくりと歩き出したのだった。