「おそらく、地蔵に美樹の頭がついたからだ。首がつくごとに数が増えて、できることも増えてくるんじゃないかな」


説明しながら明宏は苦しげに表情を歪めた。


数が増えて攻撃回数も増えてしまうなら、自分たちはかなり不利になる。


大輔はまだ完全に怪我が治っていないし、今日は明宏と佳奈が頑張らないといけないのだ。


そんな明宏は得意のナイフを複数本腰にさしていた。


ベルトをホルスターとして使っているのだ。


「おい、後ろに来てるぞ!」


会話をしている場合ではなかった。


大輔に言われて振り返ると2体の化け物がユラユラと揺れて近づいてきている。


一気に距離を縮められてしまう前に、佳奈はポシェットから爆竹を取り出した。


ライターで火をつけるのがもどかしい。


どうにか火をつけて爆竹を投げつける。