明宏に聞かれて佳奈は一瞬返事詰まった。


このお守りをどこでもらってきたのかは聞いたことがある。


幼い頃に祖母に何度かその寺のお祭りに連れて行ってもらったこともある。


だけど、あれからもう何年も経っていて記憶は曖昧になっていた。


「確か、山の上だったと思うんだけど」


記憶の中のお寺は長い長い石段の上にあり、境内には砂利が惹かれ、森に囲まれるような場所に建っていた。


そこで赤い浴衣を来て、祖母の手を引いて屋台を見て回ったことがある。


きっとあそこで間違いない。


「山の中にある寺なら少しは絞られるかもしれない」


明宏がスマホを取り出して条件指定をしはじめた。


「この街の寺なんだろう?」


明宏に聞かれて佳奈は頷いた。