その後ろ姿を見送ってから、佳奈は地蔵の立っている東屋の中に入り込んだ。


周辺に木陰はなくて、ここしか太陽光を防ぐ場所がないのだ。


足元にはあの忌々しい地蔵たちが鎮座しているけれど、仕方がない。


視線は自然と慎也の首をつけている地蔵へと向かう。


慎也の顔をした地蔵は相変わらず目を閉じていて、口を引き結んでいる。


佳奈はそっと地蔵の頬に触れた。


ヒヤリと冷たくて一瞬震えたけれど、今はその冷たさが心地よかった。


「慎也待っててね。絶対に助け出すから」


それから明宏が買ってきてくれたスポーツドリンクで生気を取り戻した4人は、再び草刈りの作業へと戻ったのだった。