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朝早い時間からファミレスで集合すると、すでに他の5人は集まっていた。


佳奈は慎也の前の席に座り、窓際に座っている明宏へ視線を向けた。


顔色は悪いけれどしっかりと現実をうけとめているようだ。


「みんな。昨日は本当にありがとう」


明宏は生真面目に頭を下げてお礼を言った。


「そんなの気にしなくていいって」


慎也が言う。


佳奈も同意を示して頷いた。


今大事なのはそういうことじゃない。


2日続けて起こったこれは1体なんなのかということだ。


「僕のところにも、たぶん春香と同じ5人が来た。黒い影で、頭はなかった。そいつらの中の1人が鉈で僕の頭を切断したんだ。本当に切られたみたいな痛みだった。今でもまだ覚えてる」


明宏はそう言って自分の首に触れた。


春香と同じように傷ひとつ残っていない。


「それからは記憶がないんだ。気がついたら朝になってた」


「俺たち、なにに巻き込まれてるんだろうな」


腕組みをして話を聞いていた慎也がつぶやく。