首取り様1

すでに席についている大輔と慎也を見て、佳奈は思わずそう聞いた。


2人の前のテーブルには木製のバッドが置かれているのだ。


「昨日は化け物がいただろ。今日もきっといる」


慎也はバッドを両手で握りしめて力強く言った。


戦う気まんまんの様子だ。


確かに、素手であの化け物と対決するのは困難そうだ。


自分も家からなにかもってくればよかったかもしれない。


戦うつもりなんて少しもなかった佳奈は少しだけ後悔した。


「それで、今日はどこを探す?」


大輔が目の前に置かれているジュースに口をつけてから言った。


ドリンバーから勝手に拝借したみたいだ。


人はいなくてもそういうところはちゃんと機能しているらしい。