首取り様1

「おい、これ見てみろよ!」


なにか見つけたのか手を振っている。


「どうしたの?」


佳奈と明宏が駆け寄っていくと慎也は地面を指差した。


そこには変わらないアスファルトがあるだけだったが、微かに色が変わっている部分があるみたいだ。


まるでそこだけ雨に濡れたかのように黒い。


「これ、足跡か?」


後からやってきた大輔が言う。


確かに人間の足跡に見える。


それはちょうど5人分あるみたいだ。


「5人分って、昨日の私達?」


美樹が首をかしげる。


昨日ここに来たのは確かに自分たち5人だ。


だけど違う。


「これ、素足だよ」


佳奈が真剣な表情で言った。


昨日自分たちはちゃんと靴を履いて外へ出ていた。