首取り様1

「あぁ」


そこには何もなくて、ただ灰色のアスファルトがあるばかりだ。


「どうしてこんなところにあったんだろうね」


佳奈は周囲を見回して首を傾げる。


こうして見ていると見晴らしがよくて、首を探せというわりに隠されていないのではないかと、疑問に感じたのだ。


「さぁ、なにか理由があるのかそうじゃないのか、わからないな」


明宏はメガネをおし上げて答える。


なにか考えようにも、ヒントが少なすぎてうまく行かない。


頭のいい明宏にも今回はお手上げ状態だ。


それでも6人はなかなかそこを去ることができずに、慎也は周りを調べ始めた。


なにか夢のヒントになるようなものがないか探しているのだ。


「もう帰ろうよ」


春香は1人心細そうな声を上げる。


「そうだね。慎也に声をかけてくる」


春香の気持ちを慮って佳奈が歩き出そうとしたとき、身を屈めていた慎也が突然顔を上げた。