それからも5人は周囲を警戒しながら春香の家に到着した。


来た時と同じように大輔を筆頭にして、春香の部屋に入り込む。


ベッドの上に春香の体はあった。


布団がめくられたままになっていて、否が応でも首の断面が見えてしまう。


佳奈はさとられないように視線をそらし、うつむいた。


血の匂いは一層濃くなり、布団を濡らしていた血が乾き始めていることがわかった。


本当に首を切断されたんだ……。


血のリアルさにあらためてそう感じて身震いをする。


あの黒い化け物にやられたんだろうか。


それとも、夢の中に出てきた影たちの仕業?


考えている間に大輔が頭部を持って春香に近づいた。


そっと視線を向けてみると、大輔が頭部をくるんでいた上着をほどくところだった。


上着の中から黒髪が現れて、それは月明かりにツヤツヤときらめいている。


それは間違いなく春香の自慢の髪だった。


首を切られているのに、髪の毛は生き生きしてる……。