首取り様1

もう3時になっている。


夜明けまであと2時間くらいしかない。


もしも春香の首を見つけることができなかったら、春香の首は地蔵の首になってしまう。


夢の中の人物はそう言っていた。


その地蔵とはなんのことなのか、どうしてこんなことに巻き込まれているのか、全くわからないことだらけだ。


佳奈と慎也が公園の中を調べていたとき、不意に慎也のスマホが鳴り響いた。


他の音といえば自分たちの足音と息遣いだけだったので、突然聞こえてきた無機質な音に飛び上がるほどに驚いてしまった。


「大輔からのメッセージだ」


確認すると、大輔が春香の首を見つけたというのだ。


その場所も書かれている。


2人は目を見交わせて、同時に走り出したのだった。