首取り様1

ただ、手の先が刃物になっていたのだけはわかった。


佳奈は全力で走りながらさっきみたナニカを脳裏に思い浮かべた。


やがて、黒い化け物という言葉が浮かんできた。


まさにカニカは黒い化け物だった。


17年間生きてきて1度も見たことのない黒い化け物。


子供の頃想像して怖がっていたナニカが、今自分たちの近くにいるのだ。


警察署から随分離れた公園で、ようやく5人は足を止めた。


全身から汗が汗が吹き出し、肩で呼吸を繰り返す。


佳奈はカラカラに乾いた喉を潤すために水道の蛇口をひねった。


冷たい水で喉を潤すとようやく落ち着きを取り戻してきた。


「さっきのアレはなんだ!?」


大輔が叫ぶ。