その声は全員の耳に届いていたはずなのに、誰も返事をしなかった。
誰も、そのことについて説明ができないからだ。
「ついたぞ」
それからまだ無言で10分ほど歩いた頃、ようやく見慣れた警察署が見えてきた。
警察署の前にある街灯が周囲を照らし出し、電光掲示板がにぎやかに交通事故多発を知らせている。
その光景に佳奈はようやく安堵した。
日頃から見慣れている場所、見慣れている文言に緊張が溶けていく。
5人は足早に警察署のドアの前に立った。
しかし、自動ドアは開かない。
「夜中だもんな」
「だけど人はいるはずだろ?」
慎也と明宏がぶつぶつと呟いて、自動ドアの中を確認している。
電気は消されていて人の気配もない。
「もう1度、ここから電話してみようか」
佳奈がスマホを取り出そうとした、その時だった。
誰も、そのことについて説明ができないからだ。
「ついたぞ」
それからまだ無言で10分ほど歩いた頃、ようやく見慣れた警察署が見えてきた。
警察署の前にある街灯が周囲を照らし出し、電光掲示板がにぎやかに交通事故多発を知らせている。
その光景に佳奈はようやく安堵した。
日頃から見慣れている場所、見慣れている文言に緊張が溶けていく。
5人は足早に警察署のドアの前に立った。
しかし、自動ドアは開かない。
「夜中だもんな」
「だけど人はいるはずだろ?」
慎也と明宏がぶつぶつと呟いて、自動ドアの中を確認している。
電気は消されていて人の気配もない。
「もう1度、ここから電話してみようか」
佳奈がスマホを取り出そうとした、その時だった。



