首取り様1

「わかった。そうしよう」


青い顔をした大輔が頷く。


「夢の中の影は首を探せと言ってきた」


2人の会話を遮るように言ったのは慎也だった。


顔色は悪いものの、目の前の現実を受け入れようとしているのが見て取れた。


「だからなんだよ!?」


明宏が珍しく苛立った声を上げる。


警察へ行く話におちつきたかったのだろう。


佳奈には両方の気持ちが理解できた。


だって、こんなのまだ夢を見ている気分だ。


「じゃあこうしようよ。警察署へ向かいながら春香の首を探すの。それなら、同時にできるでしょう?」


佳奈の提案に2人は渋々といった様子で頷いた。


ここで喧嘩をシていても事態はよくならない。


もっと悪化していくかもしれない。


とにかく今は外へ出ることだ。


そう決断して、5人は入ってきた窓から外へ出たのだった。