首取り様1

自分たちは一体どうしてしまったんだろう?


ここは一体どこなんだろう?


普段は感じない疑問が次から次へと浮かんでくる。


それほど異様な状況がそこに存在していた。


「少し冷静になろう」


そう言ったのは明宏だった。


明宏はゴクリとつばを飲み込んで部屋の電気をつけた。


今の今までパニック状態だった5人は、電気をつけるというごく当然なことすら忘れていたのだ。


パッと明かりがついてそのまぶしさに一瞬目の前が白くなる。


それもすぐに慣れた。


ベッドへ視線を向けると首の断面が見えて、佳奈はすぐに視線をそらした。


首の断面も夢で見たのとほぼ同じだ。


首だけパカッと外されてしまったかのように、キレイに切断されている。


間違ってもノコギリやチェンソーなどで切断されたのではないと、素人目にも理解できる。「これから僕たちは警察に行く。それで事情を説明するんだ」
明宏はまるで自分に言い聞かせるように説明を始めた。