首取り様1

いや、これも夢なんだろうか?


佳奈は震える手で自分の頬をつねった。


痛みが走ってこれは夢ではないと知らせている。


「どうして、なんで、こんな!」


大輔が悲痛な悲鳴をあげる。


とにかく警察、大人に知らせないといけない!


総判断した佳奈はよろけながらも佳奈の部屋を出た。


外には短い廊下があり、正面にドアがある。


「誰か、起きてください!」


悲鳴に近い声を上げながら正面のドアを開ける。


そこはどう見ても夫婦の寝室だった。


部屋の中央にはダブルベッドがあり、奥にはクローゼット。


そして小さな鏡台もある。


けれどそこには誰もおらず、今までそこで人が眠っていたような形跡だけが残っていた。