明宏は頷いた。


「って、言われてもなぁ」


慎也は考えに考えた結果、大きく息を吐き出した。


確かにあの夢は奇妙だったし、美樹とだけ連絡が取れないことは気になる。


けれど言ってしまえばただそれだけだ。


夢は仲がいい者同士が偶然同じものを見ただけ。


いわば、集団心理というやつが働いただけ。


そして美樹に連絡が取れないのは、単純に眠っているからだ。


「少し甘いものを頼もうか」


明宏がネガネを外してオーダーコールを押す。


自分たちの他にお客さんの姿はないから、すぐに来てくれるだろう。


「俺、帰りに春香の家によってみるよ」


そう言ったのは大輔だ。


さすがに自分の彼女のことが気がかりみたいだ。


「そうだね。そうしてあげて」


大輔が見に行くなら安心だ。