「これ、首を探してる時に見たやつだよね?」


春香がつぶやくように言う。


隣にいた佳奈が頷いた。


きっとそうだ。


こんな風に濡れた素足で歩く人が他にもいるなら別だけど、きっといない。


しかもこの足跡はいつも5人分あるのだ。


今回は数も同じだ。


それから6人はその足跡を追いかけて移動を始めた。


足跡は自分たちの味方なのか、それとも自分たちを惑わせる存在なのか未だによくわからない。


だけど、今はこれしか頼りになるものがなかった。


その足跡はいつものように途中で途切れていた。


「ここまでか」


立ち止まったのは地蔵から100メートルほどしか離れていない場所だった。


右手が道路で左手が民家。


特に変わった様子もない場所だ。


それでもここまで来たのだからと周辺を調べてみることになった。