「おはよう〜三咲!」

「おはよう〜桜!」

結局あの記憶は、まだ完全に思い出せていない

「桜!約束覚えてる?」

「約束…?」

俺――桜を――だから―――

"約束"だ

「うぅ…い…たい…」

頭が痛い…痛いよ

「桜?大丈夫?」

「だい…じょう…ぶ…」

「大丈夫じゃないじゃない!顔真っ青じゃん!保健室行くよ」

三咲…いつもごめんね

「ァ…リガ…とう」

うまく喋ることができない

「喋らなくていいから、なんでそんなことになったの?」

そんなこと…か…

「私…記憶ぜ…んぶ…覚えたって言った…じゃん」

「うん…もしかしてまだ戻ってない記憶とかあるの?」

さすが鋭い

コクン

「私の…初恋の相手…の記憶…なにか約束した…の」

「桜初恋相手とか、いたの?」

バカにしてるな!

「いるよ!」

あれ?こんな感じに前もやり取りしたような


桜、お前ほんと馬鹿だよな

なんだ!バカにして!

起こるともっとブサイクになるぞ!

っなぁ!許さないんだから!

「思い出したよ…ありがとう…」

「えっ!思い出したの?」

「うん!」

早くいかないと

三咲には悪いけど、早くいかないと、約束を"守らないと"