カクレンボ

「雪さんあとどれくらいっすか」

 お腹を抑えながら空が言う。

「もうすぐできるから先お風呂入ってくるね」

 キッチンに並ぶ食材たちを雪は見渡してから脱衣所へと歩いていった。

「あいつって感情出にくいタイプっぽくね?」

「言われてみればって感じね」

 空が窓にもたれかかって言った。桜も同意見で、内心の私も同じだった。

「でも(かえで)のほうが感情なさそうじゃない?」

「あいつは格が違う」

 空が腕を組んで笑った。

「ロボットみたいよね」

 わたしは雪よりも感情を表に出さない人を知っている。鏡音楓(かがみねかえで)だ。雪も傍からみたらあんまり感情を表情に出さないし変わらない。まあ空と桜が喜怒哀楽が過ぎてるだけなのもあるかもしれないけど。でもそんな雪が可愛く見えるほど感情を表情に出さないのが楓だ。わたしたちは小学校低学年から一緒だからわかるけれど、ここ数ヶ月くらいしか話してない人にとっては、楓が疑問形を言ってるのか否かさえも判断が難しい。
 
 桜が言うみたいにホントにロボットみたいなのだ。
 
「今度はあいつらも誘って遊びたいな」

「6人は中々揃わないわよ。あのふたりも勉強あるんだし」

「それは俺らも一緒だろ?特にひまわりは勉強なんかくそくらえ!ってやつだろ」

「まあそうだけど」

 桜は空に言いくるめられたように口をつむってしまった。

「正月にでも誘ってみようよ。くるかもしんないだろ」

「そうね。うちからも声かけて見るわ」

「わたしも誘ってみる」

 前のめりになりながらわたしは笑みを作る。もし6人揃うとなればそれこそ久しぶり。この4人だけで集まるのとはまた違う楽しさがある。