「集まれなくなるっていうのは相当なことがない限り大丈夫だと思うから安心して」
雪はわたしに優しい笑みで笑いかけてくれた。疑心暗鬼になりつつも、雪の顔を見て安心感が大きくなっていくのを実感した。まるで、地面に積もる雪のように。
ふと地面に目を向けると、薄っすらと雪が積もっていたので「え?積もってる」と声が出た。
「ぼたん雪かな。これから強くなりそうだし、僕たちも帰ろうか。二人も待ってるし」
一歩、また一歩と足を進めると、シャリシャリと音がする。ドラマやアニメでしか聞かない音に少しわくわくしてる。
「ただいま」
「おー雪。おかえり」
空がダイニングから顔をのぞかせて帰ってきた私達に言う。少し鼻声だけれど空は大丈夫そう。桜がいたから、かな。好きな人と一緒にいたら嬉しいだろうけど。わたしは恋というものに鈍感でまだ恋を実感したことはない。
「風邪はどう?」
「おかげさまでな。ひどくなったぞ」
「なんでうちといたらひどくなるのよ」
「別に桜といたからひどくなったとは言ってないだろ」
顔はそんなに笑ってはないけれど、本心は笑っているってことはわたしにもわかる。冗談の中に本音を混ぜて、ふたりはちょっかいをかけあっている。


