わざと、ぜったい無理っていうこと頼んであげる。
これくらいのずるさ、わたしにも許してほしい。
というかそもそも、きっと吉良くんはわたしのこと、可愛いだなんて思ってない。
だけどもし、もしもしもし吉良くんが言ってくれたら、わたしはもうほかの男の子なんて眼中になくなっちゃう。
わたしはそんなに気が長いほうじゃないから。
いつまでもツンツン吉良くんでは、いさせてあげない。
眉根を寄せて、彼は黙りこくった。
どうしたものか、悩んでるらしい。
冷淡な吉良くんなことだから、『じゃあ行けば？』と突っぱねる可能性もあるかなあと思っていたけれど。
少しだけ、彼の仮面がはがれる瞬間が見れるかもしれない。
