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「────枢木、ふざけてるのか……?」
……これは、合コンどころじゃなくなってしまったかも、しれない。
目の前には顔を顰めたなっちゃん先生 in職員室。
可愛く謝ったらどうにかなるかなあ、なんて単純なこと考えるけれど。
……うっ、なっちゃん先生がいつもの数十倍大きく見える。
「ごめんなさいっ、許してください!」
「テヘペロ⭐︎ みたいな謝り方でそう簡単に許せるかあ! 俺の机に置いてあったチョコレートぜんぶ食べたの枢木だろ……?!」
「だって美味しそうだったんですもん〜〜」
「枢木おまえ……ケロッとするな」
先生ったら、ケチだ。
実はさっき、なっちゃん先生に集めてくるよう頼まれていた皆んなのノートを提出するために職員室に寄ったのだ。
そのときに、先生がお礼に、置いてあるチョコレートを“1個だけ”持っていっていいと言ってくれた……のだけれど。
机の上に散らばっていたチョコレートを見ると、あまりにも美味しそうで、誘惑に勝てなかったのだ。



