「吉良を狙うとすれば、ライバル多いんだからカナ頑張りなよ」
「ううっ……、わかってるよ。くるみんとか、他にも可愛い女の子たくさんいるもん」
「大丈夫。カナがいちばん可愛いからさ」
「うわーんっ、やっぱり琳果大好き!」
「もう、調子いいんだから……」
大好きな親友に泣きつきながらも、考える。
日に日に、吉良くんに近づきたい衝動は抑えきれなくなっている。
うざがられても構わないくらい、毎日話しかけたいの。
「吉良くんのポーカーフェイス崩すのは、わたしだもん!」
「カナ……、声おっきい!」
意気揚々とわたしは声を上げたけれど、その声はだいぶ大きかったようで、店内の視線を集めてしまった。
……は、恥ずかしい!
ぺこぺこと他のお客さんに頭を下げ、琳果と顔を見合わせて苦笑した。
この場面を吉良くんが見ていたら、
「枢木のバカ」って言うだろうなと思いながら。



