それはわたしが彼と関わるごとに、気づいたこと。
正直言って吉良くんは表情筋が乏しいけれど、笑ったときは本当にびっくりするくらい破壊力がある。
ちゃんと笑ったところは見たことないけれど、可笑しそうに口角をあげたり呆れたように微笑んだりするところは見てきたから。
たぶんね、全人類、惚れちゃうと思うよ。
でもそんな吉良くんを、ひとりじめしたい気分。
だれにも見られたくないし、だれにも渡したくない。
わたしの吉良くんじゃないのに、そんなことを思ってるわたしって……やばいのかもしれない。
「なるほどね……、つまり吉良は、カナには心開いてるってことね」
「えっ、そうなのかな?! やっぱりそう? うぬぼれじゃない?!」
「少なくとも、カナのいう吉良を、わたしは見たことがないもん」



