「えっとね……、わたしの知ってる吉良くんは笑顔の破壊力がすごくて、ちょっと照れ屋さんでツンデレなの」
彼のことを思い出しながらにやにやするわたし。
我ながらきもちわるい表情をしている自信がある。
こんな顔、吉良くんに見られちゃったら「枢木、アホそう」とかって言われるに違いない。
だって吉良くんってちょっとだけ、毒舌だもん。
そんなことを考えていると、思考が追いついていない琳果が焦ったように聞き返してくる。
「うん、待って。わたしが知ってる吉良といろいろと逆なんだけど？」
「えーっとたぶんね、クールで愛想がない吉良くんも、照れ屋でツンデレな吉良くんも……どっちも本当なんだと思う」
