「実はね……」
ここまで来るとまったく隠す理由もないので、はじめてちゃんと吉良くんとお話した日のことや、助けてもらったお返しにハンカチを渡したことなどを洗いざらい話す。
琳果は黙ってそれを聞いていたけれど、すべて話し終えた後には、なぜかにやにやと笑っていた。
「……で?」
「…………で、とは、どういうことでしょうか。琳果サン」
不穏な空気を感じ取り、たらりと冷や汗をかく。
そんなわたしに気づいているのか否か、笑みを浮かべたままの彼女は、テーブル越しに顔をグッと近づけてきた。
「吉良はカナにはどんな感じなの?」



