愛想笑いでごまかしていると、周りの男の子たちは山田くんにつられて吉良くんのところへ行ったようで、いなくなっていることに気づいた。
ふたりだけになった途端、琳果はぎらっと猫のような目を光らせた。
「今日、パンケーキ食べに行かない? 新しくできたところ」
「行くっ!!さすが琳果!」
「よしよし、じゃあなにを隠しているのか……教えてもらおうか」
ぎくっ。
目が笑っていない彼女に、口元が引きつる。
なにもごまかせていなかったことが発覚し、観念してうなだれた。
「ううっ……、スミマセン」
「根掘り葉掘り聞かせてもらうからね」
にっこり微笑む琳果に、泣きつくわたし。
そんな様子を、吉良くんがまた見つめていたのは、わたしの知らない話。



