琳果の言うことは一理ある。
わたしは中学3年間でなにがあったのか琳果にだけは伝えているから、事情もぜんぶわかっている。
でも琳果はわたしの友だちだから、そうやって言って、守ってくれているのも知ってる。
本当は、葛葉がわたしを振ったのには、事情があったからなのだけど。
変な空気がふたりのあいだを漂って、なんだか気まずい雰囲気になる。
わたしたちらしくないな、と笑ってみせると、琳果もやっと固い表情を崩した。
……と、同時に、どやどやとクラスの仲良い男の子たちがやってくる。
「カナちゃん!やっぱりまだ八代と付き合ってんの?!」
「実は隠してる……とか?!」
「俺らショック死するって……!」
おのおの声をかけてくるから、慌てて手で制す。



