「枢木って……、思ってたのとぜんぜんちがうね」
「え?」
どういうこと、と問い返そうとする。
でもそれを阻止するように彼は平然と言う。
「まあ上目遣いとかは、あざといなって思うけど」
……バレてた。
吉良くんに、あざといって言われて軽くショックを受ける。
吉良くんって、ほんとに毒舌というか素直というか……。
ふだんあまり話さないのに、少し意外なのはきみのほうだ。
意味がわからず参っているわたしに構わず、彼は続ける。
「でも、嫌いじゃないよ。枢木のそういうとこ」
どういうとこ?!
思わずそう叫びそうになって慌てて口を抑える。
だめだ、だめだ。
吉良くんがせっかく褒めてくれたんだから、おしとやかにいかないと……っ!



