吉良くんの弱愛なところ。




隠していたハンカチを、レジに立つお姉さんに渡してお会計をしてもらう。


レジのお姉さんは、せまい店内で言い合いしていたわたしたちの様子を見ていたのか、ちょっぴり意味ありげに微笑んでいた。


わたしが肩身せまく待っていると、彼女は控えめに声をかけてきた。




「特別に、無料でプレゼント用のラッピングをしますね」

「えっ、そんなの悪いですよ……っ」



びっくりして慌てて止める。

それならお金払わせてください!と言いかけるも、お姉さんはにこっと微笑んだ。



「いいんです。わたしも若い気分になれたので、お気になさらず」



その優しさと綺麗な笑顔にノックアウトされる。

こんなステキな大人になりたい……っ!



丁寧にラッピングされたハンカチを受け取り、また来ます!と言うと、お姉さんは嬉しそうにうなずいてくれた。



あんなふうになれたら、吉良くんも好きになってくれるのかなあ……。


なんて、考えてしまったのは内緒。