吉良くんの弱愛なところ。



「どうしよう……」


そのまま考え続けてみる。

吉良くんの好みがわかる方法……。


「あっ、昨日のハンカチ!」


そうだ、良い案があった。

昨日、わたしの膝に巻きつけてくれたハンカチと似たものを買えばいいんだ。


紺色の、ストライプ。

記憶を思い返して、似たようなハンカチを探す。

どれにしようかなあ、と物色する。

そのなかでパッと目に止まったのは、紺色の生地にテディベアがワンポイントとして刺繍されているハンカチ。


「これだっ!きみに決めた!」



飛びついてそれを握りしめる。

くるっと後ろを向いてレジへと向かおうとしたそのとき。



「ぎゃっ?!」

「……なにしてんの?」


振り返ったら、目の前にまさかの吉良くん。


たぶん幻覚。

こんなところに彼がいるはずない。それも偶然に。

さらに、わざわざわたしに話しかけてくれるはずがない。