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「ねえ、吉良くんっ! 今度遊びに行かない?」


「……」




「んもう、冷たぁ〜い! ねーえ、聞いてるぅー?」


「……っけ」



「え?」


「……だれだっけ」





「だ、だれって……わたしのこと?」


「うん」






「え〜〜っ……同じクラスなのに?! ひどい!!」







たまに、吉良くんと仲良くなりたくて話しかけに行く猛者がいる。


もちろん、わたしもそのひとりだけど、みんなといっしょにしてほしくはないかも。

だって、距離の詰め方がみんなヘタ。




ほら、いまの子も、うちのクラスであざと可愛いと評判の女の子、くるみん。


きっと吉良くんのパーソナルスペースをわかってない。

吉良くん、めっちゃくるみんから遠ざかってる。
近づかないで、とでも言うように。




つまり、案の定、ばっちり玉砕。