「吉良くんはわたしと間接キ、したいもんね!」


「は、なにそれ。不名誉だし何、普通にやめて」



「へんたい!!」


「ちょ、道端でそんなこと叫ぶのやめて、」




「吉良くんのばぁぁかっ」





盛大にべーーっと舌を出して威嚇すれば。

吉良くんはまたもや呆れたようにため息をついて、今日はじめて、少しくすりと笑ったのだ。



目尻を細めて、唇を緩ませて。






「枢木の、ばぁか」







……それはズルすぎる、うん、ドキュンきた。


キュン死しそうになったわたしをおいて、スタスタと歩きはじめる吉良くんの背中を見つめ。

熱い頰を冷やしながらそっと心の中で呟いた。






(……うう、好きになるのは、時間の問題かもしれない)