「き、吉良くんってそーいう言葉遣いするんだぁー」
急に吉良くんは男の子、と当たり前のことを感じてしまい、慌てて取り繕う。
まだ身体は密着したままだし、なぜか彼は離してくれない。
なんとか平常心で軽い女、を演じたのに、吉良くんは平然と言う。
「俺だって、男だし」
「し、知ってるよ?」
「ふうん、顔赤いけど」
「〜〜っ赤くないし!!」
ばっと吉良くんから離れて距離をとって、彼を睨む。
「吉良くんになんか、やっぱりクレープあげない!」
「……拗ねて怒って、幼稚園児みたい」
「やっぱりあげる!!」
「どっちだよ」
ほんとに思って言ったわけじゃないんだもん。
もう、それくらい、わかってよ。



