吉良くんの弱愛なところ。




ええ、気になる。

気になる、けど、吉良くんはきっとうざい女の子はキライだからわざと問い返さなかった。




「日誌、いっしょ出しに行こ!」



吉良くんも、もうそろそろ帰るでしょ。

わたしの、吉良くんをもっと知るという目的は達成したとは言えないけれど、仕方ない。




長期戦だって構わない。

でも、わたし、あまり辛抱強くないから。


吉良くんにはそろそろ、仮面を外してもらわないと、困るんだよね。




わたしの言葉に返事はしてくれなかったけれど、ちゃんと横に並んで歩いてくれる。


塩対応に見えて、案外話してくれるし。

無愛想に見えて、けっこう感情表に出てるし。




吉良くんが愛想も良くてコミュ力も高かったら。

きっと近づきやすくていまより騒がれているだろうし、女の子もたくさん群れるだろう。




けどね、そんな吉良くんじゃ、今度はわたしが興味を示さないと思う。


冷たくても愛想もなくても。

だから気になる、って、わたし変かな。