「みんな、枢木に来てほしいのに? 断った理由がそれって、しょうもな」
吉良くんってば、自分のことにはとても疎い。
自分のほうが人気者ってまったくわかってない。
男の子特有の自慢話もしないし、まあ、好意は持ってくれてないだろうけど、ある程度は話題を持ってきてくれるから会話は成り立っている。
こんなに喋っている吉良くんは、ほんとは超レアで、こんなのまわりが見たら放っておかないと思う。
男の子はみんな、なんだかんだ無愛想な吉良くんラブだから、嫌がる彼を遊びにじゃんじゃん連れて行くだろうし。
女の子は言うまでもなく、きゃあきゃあまわりを取り囲むだろうし。
そうなる前に、吉良くんという仮面をはがそうとしてるわたしが、いちばんはじめにきみを見つけたんだよ。
まだ、吉良くんのみんなに見せない一面を、わたしが見つける前に誰にも知られたくないかな。



