沙月「あれ?ちょっとおかしくない?」

輝一「確かに!絵本とかだったら、白雪姫の母親は死んでしまって、継母が白雪姫を殺そうとするっていうストーリーになってるはずだよ」

私「そう!白雪姫の初版では、白雪姫を殺そうとしているのは継母じゃなくて実の母親なんだ。でも、実の母親が子どもを殺そうとする描写は白雪姫に限らず、グリム童話の初版では多く描かれていたんだよね。これはその当時、貧しさから子どもを殺害するのが一般的だったからだと言われているよ」

輝一「それって、桃太郎の間引き説の時と同じだ……」

沙月「国が違っても、貧しいとやることは同じなんだね……」

私「まあ、さすがに母親が殺すのはどうかと言われて、初版以降は継母に変更されることになったんだけどね。さて、実の母親に殺されそうになった白雪姫だったけど、狩人の慈悲によって逃げることができ、七人の小人の家にたどり着く。そして、そこで暮らすことになった」