ヨルガオ-午前0時の逃避行-


「おはよう。光莉がホームルームに遅刻するなんて珍しいね」

「うん、ちょっとね」


1時間目が終わって、2時間目までの休み時間。

(すみ)ちゃんが話しかけてきた。


ボブの長さの黒髪を外はねにし、耳にはリングのピアスが黄金に輝く。

オシャレ女子の称号をぜひとも与えたい、それが澄ちゃん。


私の避難場所を提供してくれた友達だ。


澄ちゃんはいつ見ても可愛い。

だけど、なんだか今日は一段と色気が溢れている気がする。


「澄ちゃん、何かいいことあった?」

「え?わかる?」

「うん、わかるよ。澄ちゃんのことならなんでもわかるよ、私」

「あはは。さすが強火澄花担。実はね……」


声を潜めるように澄ちゃんが囁いた。


「彼氏できちゃった」