昨日は深夜で人がいなかったから気にならなかったけど、朝にこの恰好で出歩くのは確かに恥ずかしい。
イタイ目で見られてもおかしくない。
お言葉に甘えて、パーカーを借りることにした。
「ぶかぶか」
「ふっ。雪だるまみてぇ」
袖も裾も大きくはみ出している。
そんな私の姿を見て、由良くんが笑った。
「がおー!雪だるまじゃないよ、おばけだよー。由良くん、襲っちゃうぞ」
「俺で遊ぶな。大人しく座ってなさい」
「はーい……」
由良くんは身支度のために部屋を出ていった。
パタンと閉められたドア。
私は自分の頬に触れる。
……熱い。
由良くんの笑顔を見た瞬間から急激に熱が生まれて、胸の鼓動が速くなった。



