由良くんが布団の中に入ってきた。 向かい合ってぎゅっと抱きしめられる。 「ガチガチじゃねぇか」 「……そんなことないもん」 「なんもしねぇからさっさと寝ろ」 由良くんの囁きが耳元に落ちてくる。 男の人だってわかってる。 もし狼になったら、私は目を閉じて食われる覚悟をするだろう。 ……でも、由良くんは狼になりきれない人だから。 目を閉じて、由良くんの匂いと温もりに抱擁されながら眠りについた。