ヨルガオ-午前0時の逃避行-


「ひっ」


あまりの恐ろしさに声を失う。


白い光にぼんやり浮かぶ血色を感じさせない……男の、人……。


ん?

あれ……もしかしてこの人……、お母さんの彼氏?


画質が悪くて一瞬誰かわからなかったけど、よく見たらお母さんの彼氏だ。


画面の端っこには、彼に支えられるようにお母さんも映っている。


ここでほっとするのも違う気がするけど……とりあえず、知らない人じゃなくてよかった。



通話ボタンを押す。


「はい」

『あ、すいません。(ふじ)ですけど……麻衣(まい)さんが酔っ払って1人では帰れなさそうだったので、送りに来ました』

「い、いま開けます」



玄関のドアを開けると、お母さんの彼氏──藤さんと、彼に支えられてぐったりするお母さんがいた。


「お母さんっ⁉」

「……」


呼びかけても返事がない。