でも…… 「会いたい」とは言えないから。 私なりの最も近しい表現を選んだ。 会う口実にバイクを使うのは罪悪感があるけど、どうしても繋ぎ止めておきたい人だから。 どうにかして伝わってほしい。 「……」 なかなか返答がなくて、少し視線を上げる。 バイクに跨ったままの由良くんは、私が顔を上げるのを待っていたのか、こっちをじっと見ていた。 ……ダメ、かな? 図々しかったかな……。 私から目を逸らした由良くん。 「いいよ」 返ってきたのはその言葉だった。