「だから、総長の女は大変、なんだけど……」


怖くないと言ったら嘘になる。


また危ない目に遭うかもしれない。

私のせいで由良くんが危険に晒されるかもしれない。


考えるだけで恐ろしい。


……だけど。



不意に繋がれた手。

顔を上げれば、由良くんが、いつもクールなその顔に優しい笑みを乗せていた。



「心配するな。光莉のことは、俺が絶対守るから」



私には、怖いことも辛いことも一緒に乗り越えてくれる人がいる。




後日譚〈完〉