ヨルガオ-午前0時の逃避行-


私はまず初めに、


「以前、助けていただいてありがとうございました。お礼を言うのが遅くなってごめんなさい」


頭を下げてお礼を言う。


「お礼なんていいよ。俺ら駆けつけただけで何もしてねぇし」

「そうそう。加勢するつもりが、ただ由良さんに会いに行っただけ、みたいになっちゃったし」

「確かに」


そうして笑う彼らは、柊哉くん同様、第一印象だけではわからない明るさや優しさを持っているように思う。


「それより、由良さんは今どこにいんの?」

「……っ!」


だから、答えにくい質問をした彼らに悪気はない。



「はいはい、由良さんの話はまた今度な」


すかさず間を取り持ってくれたのは柊哉くん。

柊哉くんと澄ちゃんには由良くんとのことを話してあるから、すぐに察してくれた。