ヨルガオ-午前0時の逃避行-


カウンターに呼び出しボタンがあるだけの無人のエントランスを抜ける。


ドアを開けた中は吹き抜けになっていて、階段を下りるとホールに行き着いた。


勝手なイメージで妖美な紫やピンクの照明がデジタルにチカチカしているかと思いきや、LEDの白い光に照らされたただの広いホールといった感じ。


DJ機材が設置されたステージや360度対応可能なバーカウンターがあるけど、現在はお休み中。



奥にはソファタイプの席があって、そこに男たちが集まるように座っていた。

ほぼ見覚えのある顔ぶれ──空中楼閣のみんな。


「連れてきたよー」

「おー、待ってたぞ」

「一度会ったからわかると思うけど……こっちが光莉ちゃんで、こっちが澄花ね」

「「よろしくー」」


柊哉くんが私と澄ちゃんを順番に指しながら紹介してくれた。